らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

D-150A2 仕上げました

電源回路も思いっきり弄られている可哀そうな個体。
VCCケーブルを途中で切ってつないである。何がしたいのだろうか。
同じくらいの径のケーブルと交換しておく。
一番ひどいのはブリッジダイオード回り。酷いはんだ付けがしてあります。音質云々以前では。
全部取り外し、圧着端子を打って大容量電解までのリード線を2sqで再作成。前のオーナーもそれがしたかったみたいですがはんだ付けと熱収縮チューブで仕上げてありました。はんだ付け自体も怪しかったです。ダメダメなので綺麗にやり直し。
ヒューズは8Aのサーキットプロテクタに置き換わっていました。てかこのアンプ6.25A指定なんですが。
6Aのヒューズを入れ、新品のヒューズホルダーに置き換えておきます。
IDEC製のサーキットプロテクタなので、この辺の一連の弄りは日本で弄られたものでしょう。
電源の大容量電解のプラスとマイナスに純正には無いコンデンサが追加されています。
こういうのは個人的には嫌いなので除去。
フロントパネルに変なスイッチがついていて穴が開けられていました。
スイッチは何がしたかったのだろうか。配線は特にされていませんでした。
綺麗に仕上げたのですがパネルの穴はNGです。てな訳で秘蔵の新品パネルと交換。
ラックマウント耳だけ移植。ここの止めねじ、純正では無理やりねじ込んでありますが、事前に6x32でタッピングしといた方がいいです。
高確率で折れて泣きをみます。インチのタップもこないだ買ったんですよね。
フロントパネル回りはこれで終わりなので蓋をする。側面の網は折れて無くなっていたのでホームセンターで買ったパンチングのアルミ板と交換。
しかしやわやわなので鉄の方が良さそうな感じ。
パネルを組んでバイアス測定中ですが、終段Tr全交換しているのでバイアスが低めです。
バイアス調整が終わって、暖まっている間にオフセットも調整して完成です。
入力がRCAなのが気に入らないんですよね。フォーンに置き換えようかな。

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無事完成

元々はオークションで入手した個体と推測されますが、買ってはいけない個体ですね。
当初これを「修理ついでにメンテして欲しい」と持ち込まれた訳です。今回のようにネチネチやれば直りますが、お金ばかり掛かって仕方ないです。
しかし、やっぱりD-150A2は手元に1台は置いておきたいアンプですね。
私のCrownとのファーストコンタクトがD-150A2でしたので余計にそう思うんでしょうね。そのくらい衝撃的な出会いでした。
今回山盛りの半導体を交換していますが、基本的にすべて純正もしくは純正指定の後継品、半導体メーカーの互換品です。
怪しげな修理は一切しておりません。