らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

ちょいご無沙汰

しとりました。
燃えたPower Line Fourに全力投球しておりました。
当初、修理として持ち込まれましたが、修理できるとしてお見積りしたものの「あまりにも高額」ということで2万円で下取りました。
ってもこの状態ですのでね・・・普通の業者さんならお断りされると思います。

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基板2枚

上のが今回のPL-4の基板。半分燃えてなくなっています。ありえないですけどなんとかしたい。
もう1枚、ちょっと焼けてるけどまあいける程度の部品取りしまくったジャンク基板、多分当初に私が直せずに部品取りにした基板。
要はこれを2個イチできんかというもの。
もうこれは私のCrown専業の意地というか趣味というかそういう世界です。
幸いに部材も揃っているし、時間掛けてつつけば直るのは間違いなし。終段も生きています。
どんだけ手間が掛かるかと言うと、まずは基板を活かす側の基板の半導体を全チェック。駄目なものは焼けた基板や手持ちの部品取りから純正品と交換。
数本駄目でした。これは予想内。電解コンデンサとトリマポットは新品に全交換済み。
移植する側の基板が超初期型のシルクなしだったので苦労しました。配線をつないだらやはり動作NG。
3日ほど掛けて2箇所ほど配線を間違っているのを見つけ、修正して一応音は出るようになったのですがCH2のOutput Offset調整が不可。
回路を見るに抵抗1個しか無いので、これの断線かハンダ不良しか無いので調べると当たり。
ちなみにIC類は全交換しています。
1日2~3時間、10日ほど掛かって修理完成です。メイン基板はそこそこメンテしましたが、他は放ったらかしですのでメンテすべきかなー。
30h✕時間単価5000円としたら150,000円です。部品代別です。
このアンプに慣れている人でこんだけ掛かるワケですよ。
直ったら、下取り主様が一度音を聴いてみたいということでした。
作業の比較用に自家用PL-4まで持ち出して比較しましたが結構役立ちました。
10年ぶりくらいに自家用個体を開けました。超初期の仕事で最低限しか手が入ってないんで駄目ですね。いつかきっちりメンテしよう。
この自家用PL-4は初期のガンメタで私の最後の個人的在庫です。下取って直った方はシルバーのパネルでそこそこキレイな個体です。
今後もこういうご依頼あると思うんですよね。ヒューズを入れるかポリスイッチ入れるか・・・オーバーホールの項目に加えたい項目です。
今後基板が燃えた場合はPS-200を部品取りにして定数変更し、基板交換することになると思います。
てか、使ってて燃えるって設計がそもそもマズイですよ。
今回元オーナー様のご質問としては、「音質を考慮して通電したままにしていた」との事。
部品劣化を考えると、使うときだけ電源を入れる方が安全上望ましいですね。
また今後のオーバーホールでは、基板が燃えるかも知れない問題についても安全策を取りたいと思います。
基本的にオーバーホール時に、9.1V回路系の抵抗と定電圧ダイオードは容量を1ランク上げています。
なので部品単体の負担は少ない筈ですが、半導体ですので焼けるときは焼けると思われます。