らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

個人的アンプ論

アンプにはいろいろな専門用語やスペックを語る数値が多数付随しますが、不思議なことに多くのアンプはこれらの数値は結構理想的なのに、出る音は結構がっかりだったりします。

Loudness常時ONやBassを目一杯回して使っている方はいらっしゃいませんか?
グライコで低域持ち上げは必須と思っていらっしゃる方はいませんか?

これらの原因の一部はアンプにあります。

事実として一つ挙げてみますが、どのメーカーでもそこそこ高級なクラスになると、トーンコントロールラウドネススイッチが無くなったりします。
「何で無いんだろう?」と私も当初思っていましたが、なんて事はなく、必要が無いからです。

補正の要因は、一つは小音量で聴いた場合に、ちゃんと聞こえないという事があると思います。
本当に良いアンプは、そういう補正をしなくとも小音量できっちりと聞こえます。
それが、夜間のBGM音量であろうとも補正をしなくとも心地よく聞こえます。
なので、本当に良いアンプを探すのであれば、「音質補正スイッチがないアンプ」というのも一つの指針かも知れません。

そういうアンプに、良質のCDプレーヤーをつなげば、スピーカーはそこそこのバスレフだとかなり良い感じで鳴る筈ですよ。

じゃぁ、普及価格帯の69800円アンプで、心地よく鳴らすとすればやはり大型スピーカーではなく、せいぜい20cm程度のバスレフまででしょう。
30cmオーバー3wayなんてのはちょっと無理ですね。

セパレートとインテグレーテッドの可否論ですが、鳴らすスピーカーのランクにもよりますが、個人的には間違いなくセパレートの方が良い結果が得られました。
インテグレーテッドアンプはまとまっていて良いんですが、物量投入型アンプには適さないものが多く、経年劣化が酷いものや、放熱設計が良くなく故障を招く設計のものが多数見受けられました。
その点、セパレートは比較的設計に余裕があり、好ましく感じます。

パワーアンプについてですが、めちゃくちゃ重たくなくとも良い品物は少ないながらありますので、そういったものをうまく選んでみてください。
アムクロンのD-150AIIなんてのは良くできています。そう重たくもありませんしね。
ピュアオーディオのお店で業務用パワーアンプの話をすると嫌われます。
何故なら、根拠もあまり無いのに高いお値段で売ってるピュアオーディオ用アンプが売れなくなるからです。

プリアンプは難しいです。いっそCDPを直結という事も考えてみたりもしますが、個人的な経験では、プリアンプは入れるべきです。
接点減少論とか配線短縮論も解りますが、個人的には使い勝手と音質を考えてみると思わしくない気がします。
プリアンプは、解らないうちは国産のハイエンドで取りあえずしのぐのが宜しいかと思います。試聴すると、海外製品になってしまうとは思いますが。

また、良く惑わされがちですが、キャノン(XLR)コネクタがついていると高級、という想像をしてしまいそうになります。
正直、それはオーディオメーカーの思う壺です。
世の中には嘘キャノン(本当の平衡ではない)が多数あります(笑)
ケーブルがはずれないという機械的信頼性は向上しますが、電気的にはRCAピンと実は大差ないというものも多数存在します。

これに関しては、高級な機材からのちゃんとした出力なら音質にも期待出来ますが、10万円そこそこの機材のキャノンは半数が「なんちゃってキャノン」です。
要はRCA出力からパラにキャノンにつながっているだけです。
その辺にもちょっと気を遣っている機材だと、軽く変換回路が入れてあったりします。

また、出力についてですが、家でちょっと聴く分には50W×2もあれば必要十分です。
超高級アンプや、業務用アンプでもSR用途のものだと片CHあたり1000Wとかいうのもありますが、一般家庭ではそこまでは不要です。
むしろでかくて重くて邪魔、電気食いという事で実用性が低くなってしまいます。
個人的にはほどほどな性能で良いかと思います。

アムクロンにも、良く見てみると2種類のアンプがあることが解ります。
一つは、スタジオのモニタリング等に使う為のアンプ。
Dシリーズ、PSAシリーズ、Kシリーズは基本的にスタジオ用や劇場用でしょう。
あとはMACRO-TECHシリーズに代表されるSR用のアンプ。
家庭で使うのは基本的にスタジオ用です。SR用までの性能はもてあましてしまうでしょうし、ファンが五月蠅いでしょうね。