らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

激しく疲労

しとります。ヒトが少ないのに仕事が多いし。

それはさておき、エレベータの事故が気になりました。
森ビルでワイヤーロープ切断だとか。
エレベータは人間が乗る機械だけに安全性は確保されているので、ワイヤーロープが1本くらい切れてもまず大丈夫です。
複数本のワイヤーロープで保持していますし、これがもし切れても籠の落下防止があります。

問題なのは、簡易エレベータ、いわゆる「簡易リフト」の類。
前職で頭を悩ませたコレ。ホイストを巻上機に使用しているものが殆どです。
これはホント適当に作ってあるので、ワイヤーが切れたら終わりです。
大抵は箱が最低階のフロアに落ちて終了です。
ホイストのワイヤーロープは通常2本もしくは4本、カタログにも「2本掛け、4本掛け」と書いてありますが、実際には1本のものを通してあるだけですので、どれか1本が切れたら荷物は落ちます。

元専門家としてちょびっと書いてみましょう。

簡易リフトは実際には法律があり、それに沿うとそうそう簡単には作れないのですが、そんな法律を知らないヒトが安易に作ってしまい、数年後にメンテナンスを依頼したときに初めてその事実を知ってあわてるパターンが多いです。
大抵、巻上機のメーカーが呼ばれて、あっさりと「ウチは簡易リフトはお断りしています」と言われるパターンが多いようです。
実際、あるメーカーでは簡易リフトに関して裁判になった事例があります。

職場や家の倉庫なんかにこっそり設置されていることが多いです。
こんなのを見かけたら近寄らないでね!

1.メーカー名や積載荷重の表示がどこにもない
  (どんなエレベーターやリフトにしろ、きちんとしたメーカーの製造ならメーカーの銘板があります)
2.手作り感が漂う
3.扉が外側に1枚だけしかない
4.荷物を入れるかごが丸見え
5.巻上機がホイスト
6.過去にメンテナンスでもめた事がある

他にもたくさん識別点がありますが、

http://www.hitachi-ies.co.jp/products/hst/common/kanilift.htm

あたりを見てお勉強してみてください。
実際、これらの法的な部分をクリアした簡易リフトは、100件設置されていれば1件あるかないかです。何かしら引っかかる方が多いです。

このような機器で被災した場合、会社に法的な責任を問われます。
報道では「荷物用簡易エレベーター」と言われるのは、おそらくコレです。
死人も時々出ています。
人が乗るとかは論外ですし、その構造を知るととても乗る気を無くします。(笑)