らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

フリードの件

やっぱりあれから煮えきらず心にわだかまりが残ったまま、約2週間弱を迎えました。
思い切ってディーラーで無くその上の「お客様相談室」へ相談。
店長に相談入れてもそこで丸め込んで終了になるというアドバイスを某所で受けましたので。
客相の担当さんはこちらの思っていることを一通り聞いてくれて、客観的に判断下さったのですがやはりなにかおかしいですね、との事。
一応私の意見を元に、店からも確認を取ってみますとの事。
ヒアリングした結果なのですが、店側の主張としては、
・ドア交換の件は納車2,3日前に発覚した。その時点で連絡し、納得いただいたので納車まで進めた。
とのこと。
本当にそうでしたか?と聞かれたので、「いや、瑕疵に関わる事なので2,3日前にそういう連絡があったらその時点で止めてもらって契約見直しにしますよ」との回答を私はしました。
その上で、客相の人に
・急いでいたとはいえ、商品の状態で瑕疵や価値に変動があるような状況が発覚した時点で、即連絡すべき。
・そもそもそういう話を納車日のサイン後、乗って帰る直前にするから客が納得せず今頃揉めている。
・店長から、あってはならないレベルの問題なのに謝罪や説明はなかった。
という時点で、なにかおかしいですよね?と話しますと、やはりそうですね、担当者レベルでなにか隠してますね、との事。
ええ、そうでしょうねと私も思いました。
しかし、問題は今後のお付き合いなのです。メンテナンスでどうしても今後があるからです。最悪は店を替えればいいですけど。
客相の人は「どうしますか?店長は知り合いなので聞きやすいですけど、担当者にも話を広げて良いですか?むしろ担当者に話をこちらは聞いてみたいのですが」と確認されましたので、悩んだ末、「確認してください」とお願いしました。
さすがコンプライアンスがきちんと機能しているよなあとここは感心しました。これが普通の対応だと思うんですけど、店舗ではそれがなかったので。
その後、客相の人と話した結果、「車両ナンバーを入れて確認してみると、肝心の車両の状態はドアパネル3枚のうち2枚は本当に工場出荷前に交換されたもので、極めて稀なものですが、品質保証部の確認を経て出荷されているのでまったく問題無い、新車に準ずるレベル。これは後から分かるレベルとかいうものでは無く、1台1台の出荷履歴にデータとして残っているので、すぐに分かるもの。バックドアは普通にぶつけてディーラーで交換した。」との事。確かに仕上げもそれなりだったのですが、
店長と担当者を交えて話を当日夜にすることになりました。
すると、見慣れない番号から携帯に着信。出ると当の担当者。
なんと、事もあろうに最後の泣きを入れてきます。ありえんわ!
挙げ句「今ここで話しを大きくされるとお約束の後付オプションがなくなりますよ」とか抜かしよります。
どこまで性根が腐ってるんだろうか。流石に穏便に済ませようと思っていましたが、ここでついに私がキレました。
「そういうとこがあかんねん。全部店長と話しさせてもらってクリアにしよう!な!」と言って電話を切りました。
家に帰って、嫁が私の顔を見るなり「どうしたの?」と驚いていました。多分怒ってた表情が顔に出てたんだろうと思います。
嫁は「くれぐれも穏便に」と心配していましたが、私もキレて怒るつもりはなかったので冷静に話をしに言ってスッキリさせたいのが目的でした。
店に着くと早速担当者が割と深刻な顔して出迎えてくれました。
そして店長とお話。流石に店長はこちらの言い分を聞いて、理解を示してくれました。
私もサービスマン歴で15年ほど、現在オーディオ修理業で10年以上、揉め事は避けられないものでした。
その経験も生きていますが、クレームはあくまで冷静にかつこちらの意見を説明し、先方の出方を見てみるという手を使います。
そして敢えて今回は「こちらも出物だというので飛びついた部分は悪い部分があるし、年内納車を頑張ってくれた営業氏はよくやってくれたと思う」とフォロー。キレても損なだけです。しんどいだけです。たださえ先日銀行の件で精神的にやられているのにまたコレかいなという感が正直ありました。
しかしすっきりしないまま車に乗り続けるのも嫌でしたので、ここは冷静に私の意見を通させていただきました。
最終的に私が言いたいことは「きちんと筋を通さずギリギリまで瑕疵を隠蔽しようとし、高めのオプションで誤魔化そうとした」というのがこの時代、大手自動車メーカーの看板を掲げる者としてはやっちゃいかん事でしょ、という事。
1時間ほどの話し合いで、言いたいことはきちんと通し、最後は和解し、「くれぐれも営業氏は悪気があったとは思えない、いい方だと思うので是非に寛大な処置を」とお願いし、こちらもスッキリして帰ることができました。
とはいえ、客相に話が行った以上はある程度のペナルティは避けられない筈。それはもう泣きの最後の電話の態度から鑑みるに、ちょっとは苦しんで貰おう。
翌日営業氏から電話があり、改めての謝罪と、そこから店長に話が変わって、「こっそり入れる予定だったオプション込みで注文書を作り直すから再度のサインを頂きたい」という話が出ました。
納得したので「了解しました」と電話を切り、その後客相にも電話。一応和解し、こちらもスッキリした、さっき注文書の作り直しの電話をもらった、という内容の話をして、ありがとうございましたと電話を切りました。
その際話が盛り上がって、私が若い頃言われたこととして「隠すなら最後まで隠し通せ」とも。そうなんですよ。どうしても中途半端になるから駄目なんです。でもいつかバレますし信用失墜させて大事になるのは間違いないところ。
そして営業氏にはくれぐれも穏便に、とは言っておいたのですが、逆に客相の担当者も「今時そんな対応をするような者は弊社の社員としてはあってはならない事で、これは本人のためにも一応それなりの処置にはなります。でも(らいちゃん)さんが言った事はその通りでもあって、でもそれが理解できるのはだいぶ先になるんでしょうね」とのお話でした。いや全くその通りで。若い頃、クレーム処理なんてのは仕事の中でも最も避けて通りたいものでしたから。
でも、経験を経た今、個人的経験では、「クレームはチャンス」なのですよね。クレームってまず否定したくなりますが、まずはお客さんの主張をきちんと聞いて、否定はせずきちんと対応することはしんどいですが、真摯に対応しお客さんが思っている以上の対応をすると、お客さんは「この人は私のことをきちんと聞いてくれた。信頼できる人だ。」と会社でなく個人としてファンになってもらえます。そこまで行くとシメたもので、ご指名でご依頼があったり、別なご相談を受けたり、紹介の話を頂いたりする訳です。
それは今のアンプメンテにも生きている事なのです。
そういったことを普段から積み上げていても、信用を失墜させるのは本当に容易なことで一瞬なんですよ。
特に大手メーカーに勤務していると勘違いしやすいのはそこで、客の立場からすると「大手メーカーさんだから信頼できる」ってなレベルで、決して個人を見ている訳ではないのです。そこを個人レベルに引き上げるのはだいぶ努力が要ります。
それはともかく、まあ昔っから中古車業界なんて叩けば今でもホコリ出まくりで、若い子なんてだまされてばかりいた訳ですよ。
それが嫌なら新車買いなさいという訳ですね。一応この件も蹴りついたと思うので心がスッキリしました。
さて、いろいろな経緯を経て客相交えての確認までしましたが、今回車両に深刻な問題がある訳ではないので乗り続けることにしました。
みなさんも本当に試乗車落ちにはご注意ください。ディーラーレベルではまだ怪しい商売も相変わらずやっているかも知れないですので、何なら新車でも修復歴車に当たらないレベルなら、徹底的に瑕疵を隠して売るのはありえる話です。
てなわけで私は精神的ダメージを相当受けており、現在弱っております。(汗)