らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

D-150A2のメンテ

こちらも預かってからだいぶ経過している個体です。
こちらは、動作OKということだったが実際には故障していたというもの。
動作をさせてみると、電源は入るがIOC点きっぱなし。
オペアンプを交換してみると、IOCは消えたものの、ボリュームを少し上げるだけでIOC点灯。
波形をオシロで見てみると、正弦波の上半分が出ていません。あれ?
てな訳で、いろいろ回路を調べます。当然、劣化部品はすべて交換。
このアンプも先のD-150と同じくuA739を使用しております。
回路の電圧を確認しますが、基本的には問題なく何故?と行き詰まりかけました。
サービスマニュアルのトラブルシューティングの項目もあまり参考にならんよな、と思いつついろいろ調べていると、チェックポイントの+55Vが40V切っています。これが原因でしょう。
この回路は、やや変な回路で+VCC(45Vが必要だが、120V仕様を100Vで動作させているので40V前後にドロップしている、こちらは非安定化電源回路である)に、別回路でこしらえた10V(ツェナーダイオードで10Vを作る)を上乗せする形となっています。
この別回路の10Vが出ていませんでした。+VCCから電圧が回ってくるのでまがりなりにも電圧が出ていた為、発見が遅れました。
回路を追うと、抵抗の断線を発見。これを交換して修理完了となりました。
実際には他のメンテをしながら合間の作業ですので、2週間くらいは掛かっています。
最終的にオフセット調整をして、電圧変更をすればこの個体はメンテ完了です。
しかしまぁ、ここまで壊れている個体もなかなか。私も先日1台D-150A2を仕入れましたが基本メンテで直りましたから・・・。全体的に部品の定格に無理がある個体がありますね。
そんなわけで、できれば後期の個体の方が良いというわけです。前期の回路の不具合は解消されていると思われるからです。