らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

Urei 6300

このアンプは基本的にアンプブロックは同じものが2個入っていて、電源と若干の付随回路がメインシャーシに取り付けられています。
今回の品物は、片chのみプロテクトが解除されない状態でした。
メンテは以下のとおり進めました。

  • アンプブロックの左右入れ替えにて、プロテクト解除されないチャンネルが移動するかどうか。

→移動した、よってアンプブロックの故障確定。

  • 先に回路図を見てプロテクト回路を頭に入れて、アンプブロックの基板を眺めます。

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基板を眺めていると、回路図のCR28が焼損しているのを発見。焼損ですので焼き切れています。
回路としては、プロテクト回路の電源回路で、入力がAC12Vとあるので半波整流回路です。
となると、プロテクト回路に過大な電流が流れていると思われます。
プロテクト回路への電源供給がされず、プロテクトが解除されるわけもありません。
代替の1N4004を取り付けたところ、正常CHのプロテクト解除もされなくなり、代替のCR28が相当熱くなりました。すぐに電源を切りました。やはり回路に異常があるようです。
CR28が焼けるとなると、怪しい候補はC24のショート、CR14のショート、R89のショート等ですが、CR14とR89は見た目に問題ないので、C24を外してテスターで当たると見事にショートしています。
稀にこの手のショート故障がありますね。
てな訳で、アンプブロックとしての扱いはしやすいのですが、部品交換が大変です。
アンプブロック自体が放熱板に基板が貼りついたようなもので、出力トランジスタを全部取り外さないといけません。
取り外しついでに電解コンデンサも全交換します。
動作チェックし問題なく、動作OKとなりました。所要時間は、机上での予想etcを含め3時間というところです。
今回ショートしていたFRAKO社の電解コンデンサはやはり経年劣化が早いようです。STUDERでも見かけますが、まっさきに疑う必要があると考えます。ただし、ほとんどは容量抜けが多くショートは珍しいです。
電解コンデンサのショートモード故障は以前にアキュフェーズのプリメインでもありました。懐かしい。
てな訳でUrei6300は完成です。次いでCrownのPS-200に取り掛かります。
明日にはメンテ依頼品が届きます・・・。