らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

DC-300A

以前フルメンテしてお納めしたDC-300Aが不調で戻ってきています。
こないだから少しづつ調べていますがいまひとつ不明・・・。
CH-1のみ歪むというもので、受け取り時には一度症状が出てその後正常になりました。
今日、なんとなくバイアス用の抵抗(ソケットに入れてあるので怪しい)を半田付けしました。
動作も正常で、これでしばらく鳴らしてOKだったらいいかなとご依頼人様にご連絡。
その後しばらく放置して戻ると不具合再発・・・orz。
しかし不具合が出ていることはありがたいことで、回路を追えばいずれ不具合はつかめます。
先ずは正攻法で、バイアスを調べてみます。調整値は0.34Vですが、正常側は冷間始動でも0.2Vからするする電圧が上がります。
この手のアンプのバイアス電流は当然ですがアンプが冷えているとあまり流れず、トランジスタに通電され暖まるにしたがって電流値が増えます。それを抵抗の両端で電圧として読み出します。
さて、異常側は50mVと低すぎます。要はバイアスが殆ど流れてないのです。
故障調査ですが、今回いつもの方法ではもう一つうまくいかなかったので通電しつつ電圧を当たってみました。
この方法は正攻法なのですが通電中に手が滑ったりするとショートして危険ですし、何より感電のリスクが高いのであんまり好きじゃないんですね。
結果、バイアス回路の一部の電圧がCH-2と違うことが判明。
回路図上のQ106で、コレクタとベースは正常なCH-2と電圧がほぼ同じ、エミッタの電圧が出てないことが判明。
トランジスタはMPSA92で、最大電圧が上位互換の在庫のMPSA93と交換しOKとなりました。
コレクタには動作時60Vが掛かるので放熱板を後付してもTO92パッケージですと厳しい?
しかし30年以上経過しているし、もう十分かな?
念のためCH-2も交換しておきました。
これは、時々壊れるトランジスタなので在庫はしてました。てな訳でしばらく鳴らして問題なければお納め予定。
ちなみにDC-300Aですが、メーカーHPの回路図はまともに読めません。
一応手元に紙の原本があるのですが、実はこれは基板のバージョン違いということで微妙に違うんですね。
しかも基板はシルクがないのでなかなか厄介です。
ちなみにトランジスタは取り外してチェッカで調べましたが、正常と出ました。しかし疑わしいので交換したら正解でした。チェッカも話半分くらいが丁度いいでしょうね。