らいちゃんの人生墜落日記Part2

主にVintage Crown/Ureiアンプ修理が得意な、オーディオ機器修理人です。(他社もOK)他ではまず無い濃ゆい映像機器ネタあり、きゃりーぱみゅぱみゅさん、YOASOBIさんの大ファン。

未だに

BVM-D24E1WJの件でお問い合わせを頂くのですが、ある程度まとめてみたいと思います。
・画質:ブラウン管最強画質です。民生機とは比べるべくもありません。
    民生機がいかに適当に製造されているか良くわかります。
    (KX-32HV50ですら、所詮は民生機です。)
    周辺のフォーカスもぴったりあうはずです。
    また、BVM-DやAならきちんと調整すれば同じ画が出ます。これが凄いところなのです。
    使用目的を考えると当たり前ですけどね。
    ただし10年以上経過しているので、まともな個体は激減しています。
    またNTSCはアダプタボードがあれば映りますが、高解像度ゆえに走査線が良く見えます。
・重量;男性一人でなんとか移動できる限界。約50Kg。基本は2名。
・端子:標準ではアナログコンポーネントのみ。端子は2個ありますが1個はターミネーターで終端が必要。
    オプションボードが増設されていることが多く、殆どはBKM-42HDのHD-SDIボードが多い。
    NTSCボード等もある。
・操作:本体にオプションのコントローラーBKM-10Rか11Rを接続する。最近は中古も安くコントローラーも1万円程度で手に入る。
    これをD24本体に一体化するオプションもある。いまや入手はほぼ絶望的。
10Rと11Rの違いは、10Rは430mm幅のラックマウントができる。11Rは携帯に便利なコンパクトなサイズ。
    機能的には同じ。
・入手:まともな個体はもう無いと思っていいでしょう。中古屋にも出ません。
    なぜなら、メーカーがとっくに修理を受け付けてない為です。
・故障:この機種の故障は良く見かけます。
    殆どが「OVER LOAD」が出て電源が切れるというものです。
    コレはブラウン管が不良で、ブラウン管の内部で電極がタッチしている為です。よって修理は無理ですのでブラウン管交換しか手がありません。
    まれにフライバックトランスが不良とかの管以外の不良の個体も出ます。そういうものだと部品が手に入れば直るでしょう。
・時間:業務機なので通電時間が表示されます。殆どが5万近くに達しています。
    実際には5万を超えていても問題無く使える事が多いのですが、D24/D32に限っては管がクリチカルなので5万を超えると敬遠されます。
    単純計算では1日8h×実働20日×12ヶ月×10年、で少なめに見て19200時間。
    実際はもっと通電されているんでしょうね・・・。
    うまく3万以内の個体を見つけられればラッキーでしょう。

今更これを購入されることはお勧めしません。故障していない個体が殆ど無いからです。
アワーの少し多い個体を安く買うのが現時点では一番いいかなと思いますが、問題は管がいずれNGになりますので時限爆弾を抱えているようなものです。
ブラウン管の故障を少しでも遅らせる方法は、設定である程度は可能です。
基本的に10年を超えている業務用、放送用機は使い捨てor自分でメンテナンスが出来る人が使用することが前提となります。
私はまだ観たことが無いのですが板マスモニの初期型がそろそろ安くなってきますので、そちらを探してみるのも一案でしょう。